決めなきゃいけない場面なのに、
なぜか決められない。
どちらが正しいか考えても、
結論が出ない。
頭では分かっている。
このまま先延ばしにしても、
状況は良くならないことも。
それでも、
最後の一歩が踏み出せない。
こんな経験をしている人は多い。
多くの人は、
決断できない自分をこう評価する。
「優柔不断だから」
「自信がないから」
「覚悟が足りないから」
そして、
もっと強くなろうとする。
けれど実際には、
決断できない原因は“性格”ではない。
決断の直前で止まるとき、
頭の中では
ある無意識の反応が起きている。
それは、
ブレーキが踏まれている状態だ。
アクセルを踏もうとした瞬間に、
無意識が「待って」と止めてくる。
このブレーキは、
あなたを邪魔するために
存在しているわけではない。
むしろ、
守るために働いている。
人は過去の経験から、
「こうなると危険」
「これは避けたほうがいい」
というデータを無意識に溜め込んでいる。
失敗した記憶。
否定された経験。
後悔した選択。
それらが積み重なると、
潜在意識は
「決断=リスクが高い」
と判断するようになる。
その結果、
決めようとした瞬間に
不安が出る。
考えすぎる。
迷いが増える。
どちらも選べなくなる。
これは、
無意識が
「今の安全圏に留まろう」
としている反応だ。
特に、
真面目で責任感が強い人ほど
このブレーキは強く働く。
失敗したくない。
間違えたくない。
人に迷惑をかけたくない。
そう思えば思うほど、
決断は重くなる。
ここで大事なのは、
決断できない=ダメ
ではないということ。
それは、
慎重すぎる無意識が
強く働いているだけだ。
だから、
気合や覚悟で
無理に突破しようとしても、
うまくいかない。
一時的に動けても、
後で強い不安が出ることが多い。
決断できない状態は、
「止まっている」のではなく、
安全確認が終わっていない状態だ。
潜在意識が
「本当に大丈夫か?」
と、何度も確認している。
ここで多くの人は、
「早く決めなきゃ」と
自分を追い込む。
けれどそれは、
ブレーキをさらに強めるだけだ。
必要なのは、
スピードではない。
無意識が安心できる材料だ。
決断できない人ほど、
「正解を選ぼう」とする。
失敗しない選択。
後悔しない判断。
誰からも否定されない答え。
けれど実は、
正解を探せば探すほど、決断はできなくなる。
なぜなら、
無意識にとって
「正解=失敗の可能性がゼロ」
という意味になるからだ。
そんな選択肢は、
現実には存在しない。
潜在意識はとても現実的だ。
少しでも
・失敗するかもしれない
・評価が下がるかもしれない
・不安になるかもしれない
そう感じた瞬間、
ブレーキを踏む。
これは、
弱さではない。
生き延びるための防衛反応だ。
だから、
「覚悟を決めろ」
「自信を持て」
と自分に言い聞かせても、
無意識は納得しない。
必要なのは、
勇気ではなく
安心だ。
無意識ブレーキを緩めるために
大事なのは、
決断の捉え方を変えること。
多くの人は、
決断をこう考えている。
「一度決めたら、もう戻れない」
「失敗したら終わり」
「間違えたら取り返しがつかない」
この前提がある限り、
ブレーキは外れない。
そこで、
こう捉え直してみてほしい。
決断は“確定”ではなく、“仮置き”
だということ。
やってみて違ったら修正すればいい。
合わなければ戻ってもいい。
途中で方向を変えてもいい。
そう考えるだけで、
無意識は一気に緩む。
決断できる人は、
特別に強いわけではない。
彼らはただ、
決めることに重さを乗せていない。
「とりあえず選ぶ」
「一回やってみる」
「様子を見る」
その軽さが、
自然な行動を生む。
決断できない時期が長かった人ほど、
ある日を境に
急に動けるようになることがある。
それは、
勇気が増えたからではない。
安心の土台が整ったからだ。
安心が整うと、
決断は努力なしに起きる。
考えすぎなくなる。
迷いが長引かなくなる。
「こっちでいいか」と選べる。
この状態になると、
人生は一気に軽くなる。
決断できない自分を、
責めなくていい。
それは、
あなたの無意識が
真剣に守ろうとしている証拠だ。
急ぐ必要はない。
追い込む必要もない。
無意識が
「大丈夫そうだな」
と感じた瞬間、
決断は自然に起きる。
決断できるようになるとは、
無理やり選べるようになることではない。
安心したまま、選べるようになることだ。

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