「既にある状態に入ったら、引き寄せを考えなくなった」
この一文を見て、少し矛盾を感じた人もいるかもしれない。
引き寄せを叶えたいから学んできたのに、
引き寄せを考えなくなるってどういうことなのか。
でも実は、ここに
引き寄せや潜在意識のいちばん重要な転換点がある。
引き寄せがうまくいっていないとき、
人の頭の中はほぼ同じ状態になる。
・これは引き寄せ的に合っているか
・今の行動は正しいか
・この感情はマイナスじゃないか
・まだ叶っていないのはなぜか
一日中、どこかで
「引き寄せチェック」が走っている。
この状態では、
引き寄せは“生活”ではなく“作業”になる。
でも、既にある状態に近づくと、
このチェックが少しずつ消えていく。
・今日はどうでもいい
・考えるの疲れた
・まあ、なるようになるか
最初はネガティブに見えるかもしれない。
でも実際には、
引き寄せを管理する意識が緩み始めている状態だ。
ここで一つ、はっきりした変化が起きる。
それは、
「現実を評価する回数」が減ること。
・良い出来事か
・悪い出来事か
・これは前兆か
・これはブロックか
こうした意味付けを、
人は無意識にやり続けている。
でも既にある状態に入ると、
意味付けそのものが面倒になる。
面白いことに、
この「どうでもよさ」が出てきた頃から、
現実のほうが少しずつ整い始める。
・人間関係が静かになる
・余計な予定が減る
・無理な選択をしなくなる
派手な奇跡は起きない。
でも、ノイズが消えていく。
ここで重要なのは、
既にある状態に入ったからといって
人生が一気に好転するわけではない、という点だ。
むしろ最初に起きるのは、
「変えなくていいものが増える」感覚。
・今の仕事、別に悪くない
・今の生活、そこまで不満でもない
・今の自分、思ってたよりダメじゃない
この評価の変化が、
潜在意識にはかなり大きく作用する。
引き寄せがうまくいかないとき、
人は常に
「もっと良くならなきゃ」
「このままじゃダメだ」
という前提で生きている。
でも既にある状態では、
この前提が消える。
「このままでもいい」
という前提に変わる。
すると、不思議なことが起きる。
行動が減るどころか、
行動が“選別”され始める。
・やらなくていいことはやらなくなる
・やりたいことだけが残る
・無理な頑張りが消える
結果として、
以前より成果が出やすくなる。
ここで多くの人が混乱する。
「え、何もしてないのに、なんで?」
「努力してないのに、進んでる?」
でも実際には、
何もしていないわけではない。
欠乏からの行動をやめただけだ。
引き寄せを考えなくなった状態とは、
諦めでも、放棄でもない。
「もう、どうにかしなくていい」
と、心のどこかで思えている状態。
このとき、
潜在意識は初めて
“通常運転”に戻る。
潜在意識は本来、
人生をうまく回す機能を持っている。
でも人が
考えすぎ、管理しすぎ、修正しすぎると、
その機能は働きにくくなる。
既にある状態とは、
その過剰な操作をやめた状態だ。
だから、
引き寄せを考えなくなったときに、
引き寄せが起き始める。
これは矛盾ではなく、
仕組みそのもの。
既にある状態に入ってしばらくすると、多くの人が一度、妙な不安にぶつかる。
「このままで本当にいいんだろうか」
「何も考えていない自分は、怠けているんじゃないか」
「引き寄せをやめたら、逆に悪くなるんじゃないか」
これは失敗のサインではない。
むしろ、今までの思考パターンが崩れ始めたサインだ。
これまでの自分は、
・考えている自分
・学んでいる自分
・整えている自分
・努力している自分
こうした状態で、
「ちゃんと生きている感覚」を保ってきた。
だから、それらが静かになると、
一時的に空白が生まれる。
この空白を、人は不安と勘違いする。
でも実際は、
この空白こそが
潜在意識にとって一番自然なスペースだ。
何かを詰め込もうとしない。
意味づけをしない。
評価もしない。
ただ、起きていることを
そのままにしている状態。
引き寄せを考えなくなった人が、
口をそろえて言う言葉がある。
「別に何も変わってないけど、楽になった」
これはとても重要な感覚だ。
なぜなら、
人生が好転し始める最初の変化は、出来事ではなく“負荷の減少”
だから。
・考えすぎなくなる
・悩みが長引かなくなる
・感情の波が浅くなる
派手な出来事は起きていなくても、
内側の消耗が確実に減っていく。
この段階で、
多くの人はまだ気づかない。
でも、
ここが一番大きな変化だ。
潜在意識は、
余裕があるところにしか動けない。
心が常にいっぱいの状態では、
新しい流れは入ってこない。
既にある状態に入ることで、
人生に“余白”が生まれる。
余白ができると、
不思議なことが起き始める。
・ふと思い出した人から連絡が来る
・気になっていたことに自然と手を出す
・今まで選ばなかった選択肢が目に入る
これらは、
狙って起こすものではない。
気づいたら起きていた
という形でやってくる。
ここで大切なのは、
「これは引き寄せだ」と
再び意味づけしないこと。
意味づけを始めると、
人はまた管理し始めてしまう。
良い出来事も、悪い出来事も、
ただ「そうなんだな」と扱う。
この距離感が、
既にある状態を安定させる。
既にある状態に慣れてくると、
人生の判断基準が変わる。
以前は、
「得か損か」
「うまくいくかどうか」
「叶う可能性があるか」
こうした基準で動いていた。
でもこの状態では、
「今、気が重くないか」
「無理してないか」
という基準に変わる。
この基準は、とても静かだ。
ワクワクもしないかもしれない。
高揚感もないかもしれない。
でも、
消耗しない。
潜在意識は、
この消耗しない選択を積み重ねた先で、
大きな変化を起こす。
ここで一つ、誤解を解いておきたい。
既にある状態に入ったからといって、
何も問題が起きなくなるわけではない。
嫌なことも起きるし、
思い通りにならないこともある。
でも、
それに対する反応が変わる。
以前なら引きずっていたことを、
以前ほど引きずらなくなる。
これが、
引き寄せを考えなくなった最大のメリットだ。
出来事が変わる前に、
自分の消耗の仕方が変わる。
そしてこの変化が、
結果として現実の質を変えていく。
既にある状態とは、
「何かを手に入れた自分」ではない。
「何かを足さなくても、
今日は生きていける自分」
その感覚が、
静かに続いている状態だ。
もし今、
引き寄せや潜在意識から
少し距離を取りたくなっているなら、
それは後退ではない。
統合のタイミングだ。
学んだことを使う段階から、
学んだことを忘れる段階へ。
引き寄せを考えなくなったとき、
人生は止まらない。
むしろ、
ようやく自然なスピードに戻る。
そして気づいたとき、
「あれ、いつの間にか前より楽だな」
と思う瞬間がくる。
それが、
既にある状態が
現実に根づいたサインだ。

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