引き寄せの法則や潜在意識を学び始めると、ほぼ必ず出てくる言葉がある。
それが「既にある状態」。
「願いはもう叶っている前提でいよう」
「もう手に入っている感覚で過ごそう」
「既にあると思えば、現実が追いつく」
こんな言葉を、これまで何度も見たり聞いたりしてきた人は多いと思う。
けれど、正直に言うと──
引き寄せがうまくいかない人ほど、この“既にある状態”を大きく勘違いしている。
しかもその勘違いは、かなり真面目で、努力家な人ほどハマりやすい。
多くの人が思っている「既にある状態」は、こんな感じだ。
・願いが叶った自分をイメージし続ける
・叶った気分を維持しようと頑張る
・ネガティブにならないように気をつける
・「もうある」と何度も言い聞かせる
一見すると、全部正しそうに見える。
でも実はこれ、すべて逆方向に進んでいる可能性が高い。
なぜなら、ここには共通点がある。
それは──
「叶っていない今」を、必死に否定している状態だということ。
「既にあると思わなきゃ」
「今は足りてるって感じなきゃ」
「不安を感じたらダメ」
こうやって自分をコントロールしているとき、
潜在意識が受け取っているメッセージはシンプルだ。
「今は、まだ無い」
「だから、必死に整えなきゃいけない」
これが、引き寄せがうまくいかない最大の原因になっている。
そもそも引き寄せの法則で言われる「既にある状態」は、
何かを“頑張って作る状態”ではない。
むしろ真逆で、
・何かを足そうとしていない
・足りなさを修正しようとしていない
・現実をどうにかしようとしていない
この「力の抜けた状態」に近い。
でも多くの人は、
「既にある状態になろう」とした瞬間から、
また新しい努力を始めてしまう。
例えばこんな感覚はないだろうか。
・今日はちゃんと「既にある感覚」でいられたか?
・ネガティブになってないかチェックしてしまう
・叶っている自分っぽく振る舞おうとする
・現実が動かないと焦り始める
これ、全部やっていたら
既にある状態から一番遠い。
なぜなら心の奥では、
「ちゃんとできてないかもしれない」
「まだ足りないかもしれない」
という緊張が走っているから。
ここで一度、はっきり言っておきたい。
引き寄せがうまくいかない人は、能力が低いわけでも、信じ方が足りないわけでもない。
ただ一つ、
「既にある状態=何か特別なメンタル状態」
だと思い込んでしまっているだけ。
だから、
・保とうとする
・維持しようとする
・失わないようにする
こうして、無意識に力が入ってしまう。
本来の「既にある状態」は、
もっと拍子抜けするほど地味で、静かだ。
テンションが高いわけでもない。
ワクワクし続けているわけでもない。
前向きでいなきゃいけないわけでもない。
ただ、
「今のままでも別にいいか」
という感覚に近い。
そして皮肉なことに、
この感覚に入ったとき、
人はもう引き寄せのことを必死に考えなくなる。
潜在意識の視点で見ると、「既にある状態」はもっとシンプルで、拍子抜けするほど現実的なものになる。
潜在意識は、言葉やイメージそのものを理解しているわけではない。
理解しているのは、その人が普段どんな“状態”で生きているかだけだ。
・安心しているか
・焦っているか
・欠乏を感じているか
・満たそうとしているか
潜在意識は、この“状態”をそのまま現実に反映する。
だから「既にある」と何度唱えても、
心の奥が「足りない」「早く叶えたい」でいっぱいなら、
潜在意識が受け取るのは言葉ではなく、焦りの状態になる。
ここで多くの人がつまずく。
「既にある状態でいようとすると、何もしなくなってしまうんじゃないか」
「行動しなくなって、逆にダメになるんじゃないか」
そう感じる人も多いと思う。
でも実際は逆で、
既にある状態に近づくほど、無理な行動が減り、自然な行動だけが残る。
やらなきゃいけないから動く、ではなく
気づいたら手が動いていた、に変わる。
引き寄せがうまくいかない人ほど、
行動にも力が入りすぎている。
・不安だから行動する
・足りないから動く
・叶えるために頑張る
この状態でどれだけ行動しても、
潜在意識には「欠乏ベースの生き方」が刻まれる。
一方で、
「まあ今はこれでいいか」
「今日はこれだけで十分」
そう思えているときの行動は、
同じ内容でも質がまったく違う。
ここで重要なのは、
既にある状態=ポジティブでい続けることではないという点。
落ち込む日があってもいい。
やる気が出ない日があってもいい。
不安になる瞬間があってもいい。
それを「ダメだ」と修正しようとしないこと。
これが、既にある状態にかなり近い。
多くの人は、
ネガティブを感じた瞬間に
「今の私は既にある状態じゃない」
と判断してしまう。
この判断そのものが、
「足りていない前提」を強化してしまう。
潜在意識にとって一番居心地がいいのは、
感情を管理されていない状態だ。
良い感情も悪い感情も、
ただ「そうなんだな」と扱われている状態。
このとき人は、
自分をコントロールしようとしていない。
現実を操作しようとしていない。
これが、
引き寄せが自然に起き始める下地になる。
実際、引き寄せがうまくいった人の話をよく聞くと、
共通点がある。
・途中でどうでもよくなった
・考えるのをやめた
・別のことに集中していた
・もう諦めていた
これを聞くと、
「それじゃ意味ないじゃん」と思うかもしれない。
でも、ここにヒントがある。
引き寄せを諦めた瞬間に、既にある状態に一番近づいていた
ということ。
諦めた、というより正確には
「どうにかしようとするのをやめた」。
この瞬間、
潜在意識は初めて
「今は足りていない」というメッセージを受け取らなくなる。
だから現実が動き出す。
ここまでくると、
引き寄せがうまくいかない理由が
だいぶ見えてくる。
それは、
引き寄せを真面目にやりすぎていること。
既にある状態を、
頑張って維持しようとしていること。
本当の意味での「既にある状態」は、
達成感でも、確信でもない。
ただ、
「今の自分を直そうとしていない状態」
「現実を変えようとしていない状態」
この静かな地点に立ったとき、
人はもう引き寄せについて考えなくなる。
そして皮肉なことに、
考えなくなった頃から、
現実のほうが勝手に動き始める。
ここで一度、立ち止まって考えてみてほしい。
今まで、
「既にある状態になろう」として
どれだけ自分をコントロールしてきただろうか。
どれだけ感情を修正し、
どれだけ思考を整え、
どれだけ頑張ってきただろうか。
もし少し疲れているなら、
それ自体がヒントだ。
既にある状態は、
頑張った先にあるゴールではない。
頑張るのをやめたところに、すでにある。
次の記事では、
この状態に入ったとき、
なぜ人は「引き寄せを考えなくなるのか」、
そして現実がどう変わっていくのかを、
体感ベースで掘り下げていく。
この続きが、
一番腑に落ちる人も多いはずだ。
(次に続く)

コメント