年が明けると、
「去年を振り返って反省しよう」
「うまくいかなかった点を整理しよう」
という流れが自然と生まれます。
振り返りは成長のために大切。
多くの自己啓発やビジネスの世界でも
そう言われています。
もちろん、
振り返りが役に立つ人もいます。
でも実は、
年始に去年を振り返らない方がいい人
も確実に存在します。
このタイプの人が
年始に振り返りをしてしまうと、
気づかないうちに
一年を重くスタートさせてしまいます。
その特徴は、
意志が弱いとか、
反省が足りないという話ではありません。
むしろ逆です。
とても真面目で、
自分をちゃんと見つめようとする人ほど、
このタイプに当てはまりやすい。
年始に去年を振り返らない方がいい人は、
こんな感覚を持っています。
・去年のことを思い出すと気分が重くなる
・反省しようとすると責める方向に行く
・「あれがダメだった」が先に出てくる
・振り返ったあと、前向きになれない
もし一つでも当てはまるなら、
今は振り返りのタイミングではない
可能性が高いです。
なぜなら、
年始はまだ
無意識が切り替わりの途中だからです。
この状態で振り返りをすると、
事実を見るというより、
感情が乗ったままの記憶
を再体験することになります。
去年つらかったこと、
うまくいかなかったこと、
我慢したこと。
それらを
整理するつもりで思い出したはずが、
実際には
もう一度味わってしまう。
結果、
「やっぱり自分はダメだった」
「今年も同じになるんじゃないか」
という感覚が残ります。
これは振り返りではありません。
自分を消耗させる再生作業
です。
年始に去年を振り返らない方がいい人は、
まだ心が
去年の出来事から完全に離れていません。
無意識の中では、
「終わったこと」ではなく、
「ようやく止まったこと」
として残っています。
この状態で分析や反省をすると、
頭は理解しようとしても、
心が追いつきません。
その結果、
振り返りが
自己否定にすり替わります。
特に、
責任感が強い人ほど危険です。
・もっとうまくできたはず
・あの選択は間違っていた
・自分の努力が足りなかった
こうした思考が
止まらなくなります。
でもここで一つ、
大事な視点があります。
年始に振り返らない方がいい人は、
すでに十分考えてきた人
です。
去年の間、
何度も悩んだ。
何度も考えた。
何度も自分を責めた。
その上で
年を越えている。
だから、
これ以上分析しても、
新しい答えは出ません。
出てくるのは、
同じ後悔と、
同じ自己評価だけです。
本来、振り返りは
エネルギーが安定しているときに
行うものです。
心が少し軽くなり、
出来事を
一歩引いた視点で見られるとき。
年始にまだ
重さが残っている人は、
その状態にありません。
だから振り返らない方がいい。
これは逃げではありません。
順番の問題
です。
年始に去年を振り返らない方がいい人は、
まずやるべきことがあります。
それは、
評価や反省ではなく、
距離を取ることです。
去年の自分から、
一歩離れる。
「良かった・悪かった」
「成功・失敗」
そうした判断を
一度全部保留にする。
それだけで、
無意識は少し落ち着きます。
不思議なことに、
距離が取れたあとで振り返ると、
同じ出来事でも
まったく違う見え方をします。
でもその段階は、
年始すぐではないことが多い。
だから今、
去年を振り返ろうとして
気持ちが重くなるなら、
無理にやらなくていい。
それは、
「今じゃない」
というサインです。
年始に去年を振り返らない方がいい人は、
「振り返る力がない人」ではありません。
むしろ、
振り返りすぎてきた人です。
失敗の原因を考え、
人間関係を反省し、
もっと良いやり方があったのではと
何度も自問してきた。
その積み重ねがある人ほど、
年始にもう一度振り返ると、
思考が前ではなく
内側に沈んでいきます。
この状態で振り返りを続けると、
「次に活かす」より先に
「自分を評価する」モードに入ってしまう。
評価が始まると、
ほとんどの場合、
減点方式になります。
・ここが足りなかった
・あれができていなかった
・もっと頑張れたはず
すると、
年が始まったばかりなのに、
心はすでに疲れてしまいます。
年始に振り返らない方がいい人は、
実はもう
“学び終わっている”
ことが多い。
去年の経験から、
頭では分かっている。
感覚的にも理解している。
ただ、
まだ整理が終わっていないだけです。
整理が終わっていない段階で
振り返りをすると、
出来事が
「情報」ではなく
「感情」として蘇ります。
これでは、
次の一歩につながりません。
だから、
今は振り返らなくていい。
代わりにやるべきことは、
回復と切り替えです。
・去年の出来事を考えない時間をつくる
・評価や反省を一旦手放す
・「よくやった」「ダメだった」を決めない
この“保留”が、
無意識にとっては
とても大切です。
評価されない時間があることで、
心はようやく緩みます。
緩んだあとで振り返ると、
驚くほど
客観的に見えるようになります。
「あのときは、あれで精一杯だったな」
「無理をしていたな」
「だから、今こう感じているんだな」
こうした理解は、
年始すぐには生まれません。
少し時間が経ち、
気持ちが軽くなってから
自然と出てくるものです。
年始に去年を振り返らない方がいい人は、
今はまだ
“次の年の準備中”
です。
準備中の段階で
前の年を分析しすぎると、
次に進む力が削がれます。
だから、
振り返らなくていい。
忘れようとしなくていい。
反省しなくていい。
まとめなくていい。
ただ、
去年を
「そっと置いておく」。
それだけで、
年明けの流れは
ずっと軽くなります。
不思議なことに、
こうして距離を取った人ほど、
後から必要な学びだけが
自然に残ります。
無理に拾いに行かなくても、
必要なものは
ちゃんと手元に戻ってきます。
年始に去年を振り返らない自分を、
甘やかしていると思わなくていい。
それは、
自分の回復力を信頼している行為
です。
振り返りは、
いつでもできます。
でも、
整っていない状態での振り返りは、
自分を前に進めません。
今は、
切り替えの時期。
去年を閉じるより、
今年を迎えることを
優先していい。
年始に去年を振り返らない方がいい人は、
それを本能的に分かっています。
だから、
あえて振り返らない。
その選択ができた人ほど、
あとから
静かに、でも確実に
前へ進んでいきます。

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